玉澤総本店[2008]クリスロード店(仙台) [和菓子店]
杜の菓匠
クリスロード店
仙台の老舗和菓子店
玉澤総本店様とのおつきあいも長くなりました。
改装では何店舗か担当させていただきましたが
建物から関わらせて頂くのはこれが初めての物件でした。
クリスロードのアーケードに面するこの店舗は間口3.6mと非常に狭い。
それに比べて奥行き26mという長さで3階立て・・・
まさに鰻の寝床のような建物。
上階へのエレベータを設置しなければならないこと、
1階の店舗で対面販売の接客をしながら2階の喫茶へ向かう御客様の動線を
しっかり確保しなければならないこと。
何より狭さを感じさせない開放的な空間を提供する事。
これらが重要な課題となりました。
通常の場合は器となる建築が決まってから内装作業
という段取りになると思いますが、今回は同時進行。
建築設計の間組、MさんとインターグラフTを中心に
開放的な吹抜け空間を作るためのゾーニング作業をはじめると
同時に具体的なレイアウトプランを私の方で進めながら、
厳密な寸法取りをしていきました。
アーケードの下に見えている部分は2階まで、アーケードの上に3階部分があります。
構造や法規的な条件が色々とありながらも
エントランス部分に3階までの立体的な吹抜け空間を設けることができました。
トップライトの自然光も届く空間です。
商品がないと殺風景ですね。右奥が上階へのエレベータになります。
手前は朝生菓子のケース、商品が入るとうれしいです。
背面の吊り戸棚は玉澤総本店さんの主力商品である黒砂糖まんじゅうの商品イメージカラーであり、
コーポレートカラーでもある藍色に染めてもらったアルミパネル。
キラキラと光るのが特徴です。
間口の狭さ克服出来てるでしょうか?
3階は厨房から直接クリスロードのアーケード上(外部)
へ抜けるキャットウォーク=避難口を設置しなければならない条件がありました。
建物の大きな梁を内包するそのキャットウォークのボリュームを無機質な直線ではなく、
2階のカウンター席の波形のふくらみにあわせた曲線に・・・
同時に膨らんだ部分の天井に空調設備を収納。
文字通り隙のない設計?(笑)
冬場冷え込む仙台という土地柄、バンブーフローリングの下には床暖房。
吹抜け部分の大型のペンダントライトは・・・そうです。
近代照明のルーツ、北欧の
のもので「アーティーチョーク」という名のランプ。
なかなかこの吹抜けにしっくりくる大きさのランプがなくて、ずいぶん探しました。
社長と専務には六本木のショールームまでランプを見に足を運んで頂きました。
外からのアイキャッチにもなって良かったのではないかと思います。
暑い夏、吹抜け空間で是非あんみつを・・・。
ご無沙汰致しております。あの玉澤カフェに関わってらしたんですね!!義母とお茶しましたよ!気軽に入りましたが、このような様々な創意工夫の産物だったとは思いもしませんでした…機会があったら改めてまた行ってみます〜!
by yongo (2010-09-23 06:08)
*yongoさん
お返事が遅れて申し訳ないです。
おぉ、お義母様は仙台の方なのでしょうか?
行かれたことがあるとは〜どうもありがとうございます。
アーケード街の中で3.6mというこの細〜い土地に建物を壊して建てるというのは技術が必要なんですね〜と・・・私も感心しましたです。^^;
当時はちょうどアネ○問題で建築基準法の改正と重なって半年くらいの期間ロスが生じてしまいました。
玉澤さんは日持ちするお菓子が少ないので関東での展開はされていませんが、仙台で和〜なお茶するにはなかなかおいしいでしょ?
あんみつの寒天も上の厨房で作ってるんですよ〜^^
by NAKA (2010-09-28 14:20)